この記事を読んでくださっている皆さんの中で「起業」をしたいと思う方、または考えたことがある方はいますか?
考えたことがない方が多数派なのではないでしょうか?私自身も考えたことがありませんでした。ただ、私は現在、アメリカの大学に留学をしており、現地の大学で様々な人と出会いました。交流する中で、私たち日本人と彼ら彼女らではキャリアに関する考え方が異なると実感しました。特に起業に関する考え方は日本の大学生と大きく異なると感じました。
そこで、今日は日本とアメリカでの学生起業について書こうと思います。
大学生の意識調査レポート(2016)によると、日本の学生起業率は1.3%、将来起業を考えている人の割合は8.8%です。これに対してアメリカでは2022年の調査で17%の大学生が自分のビジネスを持っており、16%が卒業後にビジネスを始める予定であると答えています。また、GUESS2021の調査によると、日本の学生が起業というキャリアを希望する率は参加国58か国中最下位でした。
どうしてこれほどまでに差があるのでしょうか。原因はいくつか考えられます。
一つ目は教育の違いです。日本ではスキルや知識を身につける機会が少ないという問題があります。一部の高校や大学で起業家クラブやビジネスコンテストなど起業家向けのプログラムが開講されていたりするものの、全体で見た時に起業に関する授業やプログラムが少ないため、学生たちは起業に必要なスキルや知識を習得する機会が限られています。
一方、アメリカでは学校での起業家教育が充実しています。アメリカの多くの高校で起業家向けのクラブやコースが開講され、ビジネスの基礎知識やビジネスプランの作成方法などを学ぶことができます。また、大学においても多くの大学でビジネススクールや起業家センターが設置されており、起業家向けのカリキュラムやプログラムが用意されてます。
二つ目は資金調達のしやすさです。日本で学生起業家が資金調達するのが難しいという現状があります。
日本の銀行は、起業家に融資する際には、保証人や担保を要求することが多く、学生起業家にはその条件を満たすことが難しい場合があります。
また、日本のベンチャーキャピタル市場は、大企業や中堅企業への投資が中心となっており、若い起業家に対する支援は十分に行われていないとされています。
一方、アメリカでは、日本に比べ、学生が起業をする際に資金調達を格段にしやすいです。
アメリカの多くの大学では、学生起業家のために資金提供制度が用意されています。これらの制度は、学生起業家がアイデアを実現するための資金提供や、ビジネスプランの構築支援などを行っています。
他にも、アメリカには多数のベンチャーキャピタルやエンジェル投資家が存在し、起業家にとって資金調達の可能性が高い環境が整っています。アメリカのベンチャーキャピタルは、数千万ドルから数億ドル単位の投資ができることが一般的で、大規模な資金調達が可能となっています。
三つ目は文化的な背景や社会的価値観の違いです。日本では、大手企業に就職することが一般的な価値観とされており、起業家精神を育む文化が根付いていません。起業に対する社会的な評価が低いため、多くの学生は安定した就職先を選ぶ傾向にあります。
一方、アメリカでは起業家文化が浸透しています。アメリカでは、起業家精神を育む文化が根付いており、起業に対する社会的な評価が高いとされています。また、失敗したとしても起業やスタートアップの経験がその後の就職に有利に働きます。
このように日本とアメリカでは起業に対する考え方が大きく異なります。その要因は非常に複雑なものです。日本でもかつてに比べると学生の起業に対する意識は強くなっているとは思います。しかし、アメリカと比較した際には大きく差が出るのが現状です。私は失敗に対してより寛容的な考え方が浸透し、起業家教育が一般的になることを願っています。
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