アメリカでMatcha(抹茶)を売りたい!— 日本企業が知っておくべき“売り方の違い”
- Mitsu Itakura

- 4月24日
- 読了時間: 4分
1. アメリカにおけるMatchaの現在地
2026年現在、アメリカにおける抹茶(Matcha)は、すでに“特別な飲み物”ではありません。単なる「トレンド」を通り越し、 カフェだけでなく自宅で楽しむ日常のドリンクとして定着しつつあります。
市場規模: 北米の抹茶市場は世界で最も成長率が高い地域の一つとされており、2026年には約46億ドル(約7,000億円)規模に達すると予測されています。
ただし、その捉えられ方は日本とは大きく異なります。抹茶は「伝統」「作法」ではなく、「健康」「ライフスタイル」として理解されるクールなポジションにあると理解することが重要です。

2. なぜ日本企業はうまくいかないのか
そんな背景を追い風と捉え、多くの日本の抹茶生産企業や関連企業がアメリカ市場への参入を目指しています。弊社としても是非、応援したいところなのですが、一旦ここで日本企業が陥りがちな課題と感じるものを記載します。
日本らしさを強調し過ぎる(伝統や作法などを全面に出し過ぎる)
製法や歴史の説明が長い(コアなファンには刺さる内容だが、エントリーとして適さない)
高級すぎて入口がない
もちろん、どれも間違いではありませんし、深掘りしたいファンにとってはとても興味深い内容です。しかし、アメリカの消費者が最初に知りたいのは別のことなのです。例えば、
「どんな風に飲むのか?」
「自分にどんなメリットがあるのか?」
「コーヒーと比べてどうなの?」
まずはこれらの問いに答えることで、興味を引き出すきっかけとなるはずです。
3. 売れるブランドの共通点
アメリカで成功しているMATCHAブランドには共通点があります。
まず、メッセージがシンプルです:
“Daily ritual”(毎日の習慣に)
“Focus without the crash”(集中力が途切れない)
“Calm energy, naturally”(穏やかで自然なエネルギー)
のように、 一瞬で伝えたい価値が伝わる言葉を使っています。
次に、体験を売っていること。抹茶を点てる工程やラテを作る様子を動画で見せ、「自分でもできそう」と感じさせています。「遠い国の昔からある格式高い文化」という印象ではなく、ライフスタイルとしての見せ方。
重要なのは、説明ではなく“より良い日常のイメージ”です。
4. 現地に合わせた売り方
では、具体的にどう設計すべきか。
商品設計
いきなり本格的な抹茶だけを出しても売れません。 Starter Kit(茶筅セット)やラテ用商品など、入口を作ることが重要です。
コンテンツ
ソーシャルメディアでは、泡立てる工程やラテの動画やコーヒーとの置き換え提案などが効果的です。ライフスタイルとして視覚的に理解できることが、購入への近道になります。
コピー
日本語の「上質」「伝統」をそのまま訳しても響きません。 “Energy” “Calm focus” “Ritual” などのような、より良い日常をイメージさせる言葉に置き換える必要があります。まずは「文化」ではなく「機能」として受け入れられるので。
5. 価格とポジショニング
価格は「安ければ売れる」わけではありません。むしろ、理由のない安さは不安につながります。ミニマル × 本物を表現することで、納得感をもって高価格な商品を販売することができるはず。
販売料金の相場としては、下記のように段階を作り、選びやすくすることが重要です。
エントリー向け:$25前後
コアファン向け:$35〜45
プレミアム、VIP向け:$60以上
6. まとめ
最後に、最も重要なポイントですなので繰り返し書きます。
アメリカで抹茶を売るということ(抹茶に限らず日本の伝統的な商品含む)は、日本文化をそのまま届けることではありません。まずは「現地の生活の中に、どう自然に入り込むか」その設計こそが、ブランドの立ち位置と販売戦略を決めます。
「現地に合わせる=妥協」ではなく、 “伝え方・届け方を最適化する”という発想が必要です。

ゼロハチロックでは、日本ブランドがアメリカ市場で無理をせず、誤解されず、長く愛されるためのストーリー設計のお手伝いをさせていただきます。
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