『プラダを着た悪魔』に学ぶ、世界観&空気作り
- Mitsu Itakura

- 1 日前
- 読了時間: 4分
今、話題の映画『The Devil Wears Prada 2/ プラダを着た悪魔 2』
昨夜、2006年公開の『The Devil Wears Prada / プラダを着た悪魔』を復習がてら見た。
ファッション業界の話として観た人も多いと思いますが、実はこの作品、マーケティングやブランディングの本質が詰まってます。面白いのは、マーケティングや業界の説明をしているのではなく、「世界観」を徹底的に作り込んだ結果、自然と人を惹きつけているということを表現してること。
最近、AIで“それっぽいもの”は一瞬で作れるようになりました。 でも逆に、人はそれっぽいものや広告を嫌い、そこにある世界観や空気感を見るようになっています。機能性や商品説明が上手いだけでは、刺さらない。 「どんな空気をまとっているか」の方が、ブランドとして強くなってきています。
そして、その世界観づくりを極端なレベルで見せてくれるのが、『プラダを着た悪魔』なんです。

「機能」ではなく「意味」を売っている
映画の中で有名なシーン。主人公アンディがファッション業界を少しバカにしたような態度を取った時、編集長ミランダがアンディの来てる青いセーターについて語る場面「それはただの青じゃない。何年も前に一流デザイナーが創った作品の色。やがて大量生産された後にあなたの元に届いたセルリアンブルーなの。」と語ります。
一見、安さや機能が重要に見える消耗品や生活用品であっても、高みを目指すべき業界トップにおいては話が違う。
アーティスト、デザイナーや職人たち、業界の一流の仕事人たちが選び抜いて作り出された作品。その裏側やストーリー。やっぱりそこに惹かれます。本当に人が買っているのは、“意味”や“物語”や“背景”から伝わる世界観。そのブランドを選ぶ理由に感情が乗った時、人はファンになり、長く心地よい関係構築が始まっていきます。
「誰にでも売る」は、実は一番弱い
『プラダを着た悪魔』の世界は、かなり閉じています。専門用語も多いし、業界ルールも厳しい。正直、万人向けではありません。でも、だからこそ熱狂的なファンが生まれます。最近のマーケティング界隈でも同じことが起きていると思います。
例えば、Instagramで伸びているブランドも、“みんな向け”ではなく、“刺さる人には深く刺さる”設計になっています。
世界観が統一されている
言葉遣いが一貫している
写真のトーンが揃っている
価値観に共感できる
そこには、「このブランド、なんか好き」と思える空気感が作られていると言えるでしょう。
誰にでも好かれようとすると、意外と誰の記憶にも残らなくなりますよねー、難しい!
ブランディングは、「空気」を作る仕事
結局のところ、ブランディングとは「広告を出すこと」ではなく、「空気を作ること」だと思います。
この店に入ると、なんか落ち着く。この投稿、つい最後まで見てしまう。この商品、理由は説明できないけど欲しくなる。その感覚の積み重ねが、ブランドになります。では、その“空気”はどうやって作られるのでしょうか。実は、多くは細かいディテールの積み重ねです。
例えばウェブサイトなら、
写真のトーンを統一する
フォントや余白に一貫性を持たせる
商品説明を「スペック」だけで終わらせない
トップページにブランドの温度感を出す
「売り込み感」より「世界観」を優先する
余計な情報を詰め込みすぎない
店舗なら、
入った瞬間の香りや音楽
スタッフの対応や言葉遣い
パッケージのデザインや手触り
季節感のあるディスプレイ
写真を撮りたくなる余白
レジの時の自然な会話
こういう小さな積み重ねが、「なんか好き」を作っていきますよね。
逆に言えば、どれだけ広告費をかけても、空気感がバラバラだと、人の記憶には残りにくい。『プラダを着た悪魔』では、衣装、音楽、セリフ、オフィスの空気、歩くスピードまで含めて、世界観が成立している。だから人は、話の内容以上にその“空気”を記憶している。
AI時代だからこそ、誰でもそれっぽいものは作れる。でも、“らしさ”を細部まで宿らせるブランドは、意外と少ない。世界観を作るためには、企業理念や哲学が軸となる。それはミランダのような強い意志を持った人間の魅力に重なる。
お客さんの記憶に残るブランドになるために重要視すべきは、会社やスタッフが「どんな空気をまとっているか」かも知れませんね。

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