K-POPオーディション文化の“輸出”—アメリカで拡張する韓流システム
- Miku Kugimiya
- 4 分前
- 読了時間: 4分
K-POPの世界進出が止まらない中、最近では「アメリカでK-POPオーディションを受ける」という新しい現象が生まれています。
私自身、ダンス歴15年ほどなのですが、ここ最近のアメリカのダンスシーンやアーティスト(アイドル)の在り方が、アジアの文化を少なからず受けているのではないかなあと思っています。
私は留学生としてロサンゼルス近郊に住んでいますが、街中でHYBEやJYPのロゴを見かける機会が増え、「ここはソウルの延長線なのでは?」と感じるほど。
そこで今回は、アメリカにも進出してきたK-POPのオーディション文化にフォーカスして、今のエンタメ業界を詳しくみてみたいと思います!

↓音声で聞きたい方はこちら:(この音声はNotebookLMにより生成されました)
HYBE Americaが生み出す新時代
TSの所属事務所・HYBEは、2021年にアメリカ市場へ本格進出しました。
Justin Bieber や Ariana Grande のマネジメントを行う Scooter Braun(SB Projects) を傘下に入れ、2023年には世界規模のガールズグループオーディション「The Debut: Dream Academy」を開催。そこから誕生したグループ KATSEYE は、アメリカ人・ヨーロッパ人・アジア人メンバーが混在し、「K-POP × Global Pop」という全く新しい形を体現しています。
“練習生文化”がアメリカに根付く?
アメリカではもともと「個人主義的で自由な表現」を重視する文化が主流。 一方、韓国の練習生制度は「組織的で長期的な育成システム」。この2つが融合しつつあるのが、今のアメリカK-POPオーディションの特徴です。
実際、HYBE AmericaやJYP USAは現地トレーニングキャンプを定期的に開催。 ボーカル・ダンス・韓国語まで一貫して学べる仕組みが整っています。アメリカ人参加者が「練習生」として数年間育成されるケースも増えており、“アメリカ育ちのK-POPアイドル”が現実的になってきています。
世界で広がる「努力×ストーリー」のフォーマット
韓国のオーディション番組といえば、「努力」「仲間」「涙」という感情要素が欠かせません。これが今、世界のエンタメフォーマットとしても人気を集めています。
「Nizi Project」や「Dream Academy」のように、リアリティ番組を通して一人ひとりの成長過程を見せるスタイルは、アメリカの視聴者にも“エモーショナル・リアリティ”として共感を呼びました。TikTokやYouTubeで練習生の日常を追うファンが増え、「推しをデビューさせる」国境を越えたファンダムが形成されています。
ビジネスの仕組みから見るK-POP vs. アメリカ音楽産業
K-POP | アメリカ音楽産業 | |
育成モデル | 事務所主導の練習生制度 | 自主制作・SNS発信が主流 |
契約構造 | 長期専属契約(事務所が全面支援) | アーティスト中心・短期プロジェクト契約 |
プロモーション | SNS+ファンダム形成重視 | ラジオ・メディア露出中心 |
強み | 統一されたブランディング力・完成度 | 個性・自由度・多様性 |
K-POPは一見「管理されたカルチャー」ですが、実は“組織としてのブランド経営”が非常に洗練されています。アメリカのアーティストが個人ベースで活動するのに対し、K-POPはグループ全体を一つの“企業ブランド”として育てる発想。これがファンを「消費者」ではなく「共創者」に変える力を持っています。
日本のエンタメも“K-POPシステム”を取り入れている!
K-POPのグローバル化はアメリカだけでなく、日本の音楽業界にも確実に波及しています。
特にここ数年で、練習生制度・オーディション番組といったK-POP式の手法を取り入れるアーティストやプロジェクトが一気に増えました。
NiziU:韓国のJYPと日本のソニーの共同プロジェクト。
XG:デビュー初期から海外を主戦場とし、全編英語の楽曲でグローバル人気を獲得。
Produce 101:韓国の人気番組の日本版で、オーディション文化を日本に広めた立役者。
HANA:日本人プロデューサー、事務所によるオーディション番組のひとつ。
このように、日本のガールズグループは今、「K-POP式をベースにした独自進化」を遂げています。
最後に
韓国の「夢を仕組み化する文化」が、アメリカの「自由な表現」と出会った今、エンタメの未来はますます面白くなっていきそうです。単なる“韓流ブーム”ではなく、エンタメ産業のグローバル化と価値観の融合の発展がこれからも楽しみですね!

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