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【労務&人事 in アメリカ】数年後を見据えた給与設計


採用、雇用、良い人材の確保、経営において常に考えなければいけない永遠のテーマである「給与」。そして給与と強い関わりがあるのが最低賃金、という事で今日は最低賃金に関してのおさらい。

最低賃金が上昇するというニュースは良く聞いているのでは?

そして、実際に最低賃金は上昇している。最低賃金上昇で特にレストラン業界や小売業界等々、パートタイム従業員が多いとされる企業にはかなり頭が痛い問題なのではないだろうか。一般的なオフィス環境、いわゆるホワイトカラーとよばれる方には最低賃金なんて無関係なんて思われているかもしれないが、実は全くそんな事も無く(この件に関しては、また次回)。考えようによっては、既に上昇する事が分かっているという状況は悪い事ばかりではなく、未来を見据えた給与制度を設計できる機会であり、どうせ上がるならば上手く情報を利用していきましょうね、とポジティブに捉えましょう。

東海岸のニューヨーク、西海岸のカリフォルニアに焦点をおいて、最低賃金のスケジュールは以下の通り。各州、各郡、各市によっても最低賃金に違いがあり、また従業員数によっても違いがあるので、ここは注意事項。ちなみに連邦法での最低賃金は2009年から変わらず$7.25なので、NY州とCA州の賃金がどれ程高く設定されているのかが分かるはず。

NY州最低賃金スケジュール:

CA州最低賃金スケジュール:

LA群最低賃金スケジュール:

LA市最低賃金スケジュール:

そもそも最低賃金の上昇、そして時給15ドルという事は既に数年前から声高に言われていた事なので、特にNY州やCA州が数年先の給与スケジュールを出している事にあまり驚きはないという人も多いかも。色々な背景があるのだが、単純に従業員さんの給与が上昇するから従業員さんにとっては朗報という見方がシンプルだが、残念ながら今後こういう状況が様々な州で増えていくと企業側も「時間管理」という今まで行っていた事を更に徹底的に管理せざるを得ず。「最低賃金上昇=従業員の給与の上昇」という単純な構図にはならないという側面も。つまり時間管理を徹底する事に重きがおかれ、その上で人員を増やして、いかにシステマチックに各従業員の給与を抑えるかという事が考えらてしまうのではないだろうか。

そんなこんなで最低賃金のお話し。次回は冒頭でも触れたが、何故最低賃金がホワイトカラーのオフィス環境にも関係があるのかという話を。

Written by 人事マン

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