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IoTとクラウドが作る未来 #3


前々回、キュウリの仕分けにAIを使ったIoTの例を紹介しました。これにはGoogleのTensorFlowというディープラーニングプログラムが利用されています。囲碁のトップ棋士に勝ったalphaGOにも利用されており、それが無料で使えるという事で、プログラマの間でちょっとしたブームになっています。今日はこのTensorFlowを始めとしたAIの話です。

TensorFlow, the TensorFlow logo and any related marks are trademarks of Google Inc.

ディープラーニングは人間の脳の機能を参考にして設計されたニューラルネットワークというAIを使っています。子供に動物の名前を覚えさせるように犬や猫の絵を見せて、これは猫だよ犬だよと教える事で AIが学習しています。このような絵は教師信号と呼ばれていて、これをいかに集めるかが精度の高いAIを作る鍵になっています。猫かどうか判断するAIを作るには、猫だと分かっている画像を沢山集める必要があります。このTensorFlowを使って上司が近づいて来たら仕事してる風の画像でPC画面を隠すというシステムを作った人もいるのですが、恐らく上司の顔写真を世界で一番持っているのは自分だろうと言っています。

さて、このディープラーニングを利用した例として、写真に何が写っているかAIが描写するGoogle Show and Tellというのもあります。下の図のように、随分良い精度で判断出来ている事が分かります。

Captioned by Google show and tell

これを見てreCAPTCHAは時代遅れになるなと思った方もいると思います。ウェブサイトでよく見られる、サイトにアクセスしているのが人間なのかを確認する為の技術です。次の画像のように、どの写真が猫なのかを判断させるもので、今までの技術では機械で正しく答える事が出来ませんでした。

これも今となっては、プログラムが人間のふりをするのは可能になってしまいました。

しかしここまで考えてふと思い出したのが、reCHAPTCHAの開発者によるTEDトークです。この当時のreCHAPCHは、古い本の電子化に利用されているという話でした。基本的には本を写真にとって、それを機械で読み取ります。しかし、どうしても機械では認識できない部分があるので、そういった文字を彼らはreCHAPTCHA上で人間に判断させる事にしました。reCHAPTCHAは世界中のサイトに使われているので、一日に一億単語の読み取りが出来たそうです。この詳しい仕組みについて興味がある方はTEDトークを見て下さい。日本語字幕もありますし、ユーモアがあって面白いです。

さて、このreCHAPTCHAはその後、Googleに買収されました。これは恐らく上記のような方法を使えば、人工知能の教師信号を集めるのにreCHAPTCHAが最適だろうと判断したのだと思います。こういう教師信号を集める仕組みを上手く作れば、意外にGoogleとかに買ってもらえるかもしれませんね。今後のreCHAPTCHAの進化に注目すれば、Googleがどういう教師信号を欲しがっているか分かるかもしれません。

Written by plsplsme

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