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アメリカ・日本 音声メディアを考えてみる Part:02

更新日:2021年5月28日

前回の記事、「アメリカ・日本 音声メディアを考えてみる Part:01」では音声メディアの種類や世界の国別で見る普及状況、ポッドキャストのメリットなどをまとめてみました。


そして今回はPart: 02ということで、マーケティング視点で見る音声メディアの活用方法やコンテンツアイデア、そしてポッドキャストのマネタイズ方法、今後の可能性などを考えてみたいと思います。



オウンドメディアとしての音声コンテンツ活用事例


まずは、コンテンツアイデアも含め、実際の企業のオウンドメディアとしての活用事例を見ていきましょう。



事例1: Inside Trader Joe's



南カリフォルニア発祥、現在は全米に500店舗以上ある人気グロッサリーストア:トレーダージョーズの運営するポッドキャスト番組。商品開発の過程や消費者が選ぶ人気商品、根強いファンやリピーターができる秘訣など、クルーメンバー(従業員)が紹介しています。








事例2: IKEA Audio Catalog



IKEAは紙のカタログ発行(印刷)を2020年に終了し、代わりにデジタルカタログと連動した音声ナレーションを活用。デジタルカタログを見ながら、チャプターごとに家具の説明や使用風景をイメージさせるお話が聴ける仕組みになっています。









事例3:DIOR " DIOR TALKS"



誰もがご存知、フランスを本拠地とするファッションブランドのDIORが2020年3月からポッドキャスト番組を開始。いわゆる”DIORの中の人”やクリエイティブに関わるアーティスト、コラボレーターへのインタビューを通して作品や人生のお話を展開しています。








事例4:HAPA英会話



英語を学びたいと思った方なら一度は目にしている方も多いはず。毎日配信される無料メールマガジンをはじめ、Youtube Channelや公式コミュニティーも大人気のコンテンツとなっていますが、代表のJunさんが言うには一番注力しているがポッドキャストだそう!









事例5:The Consulate General of Japan in Boston (在ボストン日本国総領事館‪)



日本文化を軸に活躍している方をとりあげたディスカッションやインタビュー音声の共有。そして、日本語での自己紹介や挨拶を紹介するエピソードなど、行政機関としての新しい試みのようです。









発信するコンテンツ内容は様々ですが、主流になるのは以下のような分類になるかと思います。

  • ブランドの世界観や人柄が伝わりやすいインタビューや対談系

  • ノウハウや知識、ニュースや情報を伝えるためのナレッジ系

  • 言語学習やトレーニング、歴史やビジネスを学ぶための教育・学習系

  • 単純に楽しむためのエンターテイメント系


マーケティング視点で見た場合、現状では音声メディアによって新規客を獲得するための集客目的ではなく、すでに興味を持ってくれている見込み客への啓蒙や育成、また既存客への満足度向上やファン化などのコミュニケーションを目的とした活用方法の方が適しているように思います。


即効性を求めるのではなく、長期視点で考える深く永い関係構築を前提とし、自分や自社が提供できるものを考え、それに合った形で無理なく継続できるコンテンツ選びができると良いですね。

 

社内コミュニケーションツールとしての音声メディア


上記のように、外向きの発信としての音声メディア活用が一般的ですが、一方で社内コミュニケーションツールとしての活用も注目され始めています。

メッセージやチャット、Eメールではどうしても伝わらない微妙なニュアンスの内容だったり、感情を込めて伝えたい情報の場合は、テキストよりも音声で伝えることの方が圧倒的に有利です。


社長や経営陣からの音声メッセージを配信したり、ミーティングや会議の収録音声を配信したり、社員へのインタビューを配信したり。もちろん社員だけが聞ける仕様になっていて、特定の人だけに発信したりコメント機能やどれだけ再生されたかを可視化できるなどの機能もあったりと、とっても便利ですよね?

日本では、昔から紙媒体としてある「社内報」を音声で届けるという形で企業に浸透し始めているようです。




 

音声メディアでのマネタイズ方法


ポッドキャスト番組を運用していくにも収録機材費、ウェブサイトやホスティングサーバー費、そして編集作業などの関わる人の時間も含め、運用資金が必要になります。音声メディアを使ったマネタイズの方法を考えてみましょう。


  1. スポンサー(広告)

    1. 番組内に広告枠を設け、直接販売する

    2. 広告ネットワークに参加し自動的に広告枠を提供する

  2. 配信プラットフォームと独占契約

    1. 年俸での契約報酬(独占配信など)

  3. オリジナル商品やサービスの販売

    1. オリジナルTシャツやマグカップなどを作成し販売する

    2. コーチングなどのサービス販売に繋げる

  4. サブスクリプション

    1. 会員限定の有料定期購読コンテンツなどを用意

  5. 有料コンテンツ販売

    1. 過去に配信した音源をまとめて販売する

    2. アフタートークや動画などを限定販売する

  6. アフェリエイト

    1. 番組内でガジェット紹介などをしてコミッションを得る

    2. 番組ブログサイトでAd Senseなどの広告収入を得る

  7. パトロンさんからの支援や寄付

    1. Patreon などのツールを使って支援を得る

    2. 投げ銭機能を使って寄付を得る

  8. イベント開催

    1. 公開収録やオフ会を有料開催する

    2. イベントを開催し別の商品を販売する

  9. クラウドファンディング

    1. 企画を立ち上げ寄付や支援を募る


お金を稼ぐことが主目的ではなくても、資金があれば改善&よりよいコンテンツ作りが可能になるので、リスナーさんや応援してくれる方から少しずつでも運営資金を集められたらとても助かりますよね。


ゼロハチロックが運営するポッドキャスト番組「1%の情熱ものがたり」の場合は、スポンサー枠の販売パトロンさんからの支援によるマネタイズを試みています。

 

今後の音声メディア(ポッドキャスト)の可能性


2005年頃から長い間、ポッドキャストの配信プラットフォームとしてApple Podcasts(iTunes)の独占状態がひっそりと続いていた状況の中で2018年、Google Podcasts が開始されたというニュースを皮切りに音声メディア業界の動きが再注目され始めたと言えます。その後、Googleの検索結果でポッドキャストのエピソードが表示される仕様が開始されたり、音声検索や文字起こし機能がどんどん進化していることに気づいている方も多いかと思います。


ざっと音声メディア(ポッドキャスト)関連ニュースをあげると、2019年にSpotifyがAnchorとGimlet Mediaを、2020年に音声広告プラットフォームMegaphoneを買収。そして、アメリカで超人気のポッドキャスト番組「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」との独占契約が注目されました(契約金額は1億ドル=100億円以上と言われている)。

Amazonは、Amazon Musicでポッドキャストの配信を開始した2020年、12月にポッドキャスト制作会社Wonderyを買収しています。


そして2021年も、音声SNSのClubhouseの盛り上がりがあったかと思えば、それに対抗するかのように Twitterが 音声チャットルーム Spacesの提供を開始。そして、この5月よりAppleとSpotifyがそれぞれポッドキャスター向けに有料サブスクリプション機能の提供を開始しています。


Apple Podcasts Subscriptions:


Spotify paid subscriptions:



ワイヤレスイヤホンの進化やスマートスピーカーの浸透はもちろん、音声検索、Iot、音声認識による自動翻訳などの進化は益々加速して、僕たち消費者の生活に影響を与えると同時にビジネスにおいてのブランディングやマーケティングにも大きく関わってくる領域だと言えます。


まだまだ未開拓の部分も多く、今後大きく伸びる可能性がある音声メディア業界。引き続き注目していきたいと思います。

 

最後に一応、ゼロハチロックのポッドキャスト番組ご紹介。

1%の情熱ものがたり


1%の情熱ものがたりは、海外に在住の日本人を対象とした対談インタビュー形式のポッドキャスト番組です。


海外に住んでいる日本人は、日本人総数のわずかに1%!
海外進出や起業を果たしたビジネスオーナーや経営者、また各業界のプロフェッショナルへの対談インタビュー。 日本の未来を背負うグローバル基準のプロフェッショナル達の仕事哲学とそこに燃える情熱に迫ります!





企業・個人のブランディングとしてポッドキャスト番組をご検討中であれば、「今」が始める時です。競合が少ないと言える状態で、参入をいち早くすることによる先行者利益は大きいはず。


興味あるなぁ、話聞いてみたいなぁという方、こんな番組作りたい!けど何から始めればいいのか分からないよという方も、お気軽にご相談ください。(無料相談受け付け中!


Posted by mitsu

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